草思社『これなら納得、いろはにパソコン』から抜粋
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chapter 00 まえがき

まえがき

私、チャールズ・ルービンは、この本に、パソコンのベテラン、上級者、そしてパワーユーザーの常識、いわゆる、「パソコン賢者の知恵」を凝縮しました。本書は、読者として次のような人々を想定しています。

パソコンほどつかみどころのないものはありません。使える人には便利なのに、よくわからない人には、とんでもなく使いにくく、見るのもいやになりかねないのがパソコンです。

パソコンがこれほどわかりにくいものでなかったら、ちょっとしたことをできるようになるのに、人はこれほどの苦労をしないはずです。パソコンのベテランやパワーユーザーの多くがそうであるように、パソコンについて賢くなるとは、どういうことなのでしょうか。

パソコンについて賢い人を見ていると、パソコンという機械の存在を意識していません。キーボードやボタンの操作に惑わされることなく、パソコンでの仕事に集中しています。パソコンについて賢い人は、パソコンでできること、できないこと、起こること、起こらないことがわかっているので、パソコンという機械に振り回されることなく、パソコンでの仕事にエネルギーを集中できるのです。さまざまな局面に遭遇しても、経験的に解決できるので、あわてたりしません。

パソコンについて賢いということは、PCパソコン、ワープロソフトの〈一太郎〉、Macintoshパソコンといった特定のパソコンやプログラムだけを上手に使えることとは違います。賢いパソコン使い、つまりパソコン賢者とは、いろいろなパソコンやプログラムの基本的な共通点が見える人のことです。たとえ初めて使うタイプのパソコンやプログラムであっても、適当に勘を働かせて、さほど苦労せずにやりたいことをやれる人のことです。

最近では、パソコンやプログラムについて優れた参考書がいろいろ出版されています。しかしそれらは、特定の種類のパソコンやプログラムの操作方法、その使用方法について書かれた「ハウツー本」がほとんどです。本書は、それらの類書とは一線を画し、いろいろなパソコンやプログラムで通用する「パソコン賢者の知恵」の紹介を主体に、以下の諸点をカバーしています。

もち本書の構成は、各章が内容的に独立したエッセー仕立てになっているので、どの章からでも自由に読みはじめられます。しかし、自分の知識がどの程度のものかを基礎から「おさらい」しなおしたいという方は、第1章から読みすすんだほうがいいかもしれません。また、ある程度パソコンを使い込んでいる方でも、本書をざーっと拾い読みするだけで、パソコンについての理解度を「おさらいする」のに役立つはずです。

 

「chapter 01 いろはにはじめ」は、今まで一抹の不安を抱えながらパソコンを使ってきた人々にとって、とくに有用かもしれません。本章を読みすすむにしたがい、パソコンはどれもこれもだいたい似たり寄ったりの動きをすることが見えてくるので、パソコンやプログラムごとの違いがあまり気にならなくなります。

「chapter 02 いろはに選択」「chapter 03 いろはにアプリ」は、パソコンのハードウェアやソフトウェアの選択方法についての「おさらい」です。

「chapter 04 いろはに置き場」は、パソコンの取り付け方法を取り上げてあります。この知識を持ち合わせていれば、パソコンを快適な使用環境でエンジョイできます。

「chapter 05 いろはにマスター」は、効果的にパソコンを操る方法をステップ方式でおさらいしてあります。本章は、必要な実践力をできるだけ効果的かつ迅速にものにしたいという方にお薦めします。

「chapter 06 いろはに先手」は、パソコン使用時のアクシデントを回避する知恵をいろいろ紹介してあります。パソコンのアクシデントの大半は、ユーザーの操作ミスといわれるほどなので、本章の知恵を身につければ、大半のアクシデントは未然に防げます。

「chapter 07 いろはにワープロ」「chapter 08 いろはに表計算」「chapter 09 いろはにデータベース」、そして「chapter 10 いろはにネットワーク」は、パソコンで使う典型的なプログラムの働きと操作方法についてのおさらいです。これらのプログラムをすでに使用している方は、よりできるユーザーになるためのTips集として利用してください。

「chapter 11 いろはに痛いめ」は、パソコンで発生しやすいトラブルの診断方法と、その解決方法についてステップ方式で説明してあります。

「chapter 12 いろはにTips」は、パソコンの手入れ方法や、アップグレード方法について説明してあります。

「chapter 13 いろはに用語」は、専門用語の一覧です。ともするとテクニカルタームの羅列になりがちな内容を、できるだけ平易に、日常的な表現を用いて説明してあります。

 

賢者のことば

私がこの20年で学んだことは、私がパソコンを使うのであって、パソコンに私が使われるのではないということです。パソコンのおかげで、私の生活や仕事は楽になりますが、だからといって、私がパソコンに追いまくられる必要はないということです。パソコンは複雑な機械です。しかし、それを意識しなくてもパソコンは使えます。パソコンが情報をどのように処理するかがわかれば、楽をしながら、自分のしたいことをパソコンにさせられるからです。私は、このような「パソコン賢者の知恵」をあなたに伝えたく、この本を書きました。

 

チャールズ・ルービン
(アリゾナ州セドナにて)


Copyright Charles Rubin、倉骨彰、Houghton Mifflin Co.、草思社

 


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