好奇心旺盛な子どもたちと、出遅れたオトナのための
ゼロから始めるパソコン・マスター!
Part 0
パソコンは「合体ロボ」だ?
016-017いったいこいつはナニモノか?
○小さなコンピュータ、パソコン
- パソコンは、「パーソナル・コンピュータ」をちぢめたことばです。「個人用のコンピュータ」というぐらいの意味です。
- 「個人用」というのは、ここでは「小さめの」というぐらいに考えていいでしょう。むかしはコンピュータといえば、部屋ひとつ分もあるほど(もっとむかしは、家一軒分もあるほど)大きかったから、こんないい方ができたのです。
○計算がチョー速いのがコンピュータ
- コンピュータというのは、要はとんでもなく速いスピードで計算ができる機械のことです。
- どれぐらい速いのかというと、いまのふつうのパソコンなら、だいたい1秒に1億回ぐらいの計算ができるほどです。
- パソコンが、画面になにかを映したり、なにかを紙の上に印刷したりというのも、実はこの「計算が速い」からこそできることなのです。
○組み合わせればパワーアップ!
- パソコンは、例えていえば「合体ロボット」のようなものです。
いろいろなものと組み合わされて、どんどん力を増していきます。いま、あなたの家や学校にあるパソコンも、実はすでに合体しているのです。
合体して、どんなものになるのか? 何ができるのか? それは次のページから見ていくことにしましょう。(イラスト:しょぼんとしている巨大な昔のコンピュータと、はつらつとして力コブを見せている現代の小さなパソコン)
パソコンもコンピュータの一種。いまのパソコンは、むかしの大型コンピュータよりも高性能だ。
(イラスト:合体ロボットパソコン。ロボットのように、本体、ディスプレイ、キーボード、マウス、プリンタ、ディスク、ソフトのパッケージなどで人型になっている)
パソコンは「合体ロボット」のようなもの。さまざまな組み合わせでパワーアップしていく。
018-019パソコンで「放送局」ができちゃう?
○パソコンの「放送」って?
- いま、日本だけでも何千万台というパソコンが世界中とつながっています。なかには、その仕組みを使って、放送局のようなことをしている人もいます。
- 自分が書いた文章はもちろん、写真や絵も見せられます。音楽を流したり、アニメを見せたりしている人もいます。本物の放送ではありませんが、とてもよく似ていますね。
- これが、見ようと思えば世界中のどこからでも見ることができます。必要なのはパソコンと電話、そしてモデムという機械です。このモデム、ひょっとするとあなたの学校や家のパソコンにもついているかも知れませんよ。
○だれにでもできる?
- どんな人が、この「パソコン放送局」をやっているのでしょう?
- みんな特別な人ではありません。ふつうの人です。おとなだけでなく、高校生や中学生、小学生だってやっている人はいます。
- この人たちがつくっている「パソコン放送局」は、「ホームページ」といいます。世界中で数え切れないほどの人が、このホームページを作っています。ほとんどの人は、1台のパソコンをひとりで使っているだけです。
- この本は、読み進めていくと、この「ホームページ」の作り方までがわかるようにできています。そう、あなたも「放送局」になれるかもしれないのです。
(イラスト:放送局のように「情報(画像=画像を表示しているブラウザ画面、ことば、音楽)」を発信しているパソコン)
パソコンから、世界中にあなたのメッセージを送り出すことだってできる。
(イラスト:地球上のさまざまな場所とつながっているパソコン。それぞれのパソコンが、ナニか情報[のようなもの]を送り出したり受け取ったりしている)
世界中で、パソコンどうしが、すごいいきおいでつながっていく。
(画面:ステーションガイア)
これは、大きな会社がやっているものだけど、本当にパソコンで行われている放送だ。音楽だけでなく、演奏しているようすを見ることもできる。
StationGIA(C) http://www.******
020-021基本を知れば、パソコンはむずかしくない
○パソコンはどこにでもある
パソコンができることは、まだまだ数え切れないほどあります。
でも「ホームぺージ」づくりには、パソコンでできるさまざまなことを、全部集めたようなところがあります。そこまでできるようになれば、パソコンのことは、だいたいわかったといっていいでしょう。
実際の社会でも、パソコンはさまざまなところで使われています。工場、お店、駅、放送局、印刷所、警察……どこにでもあります。
いまは、どこの会社や学校でもパソコンを使っています。ですから、あなたのお家の人や先生も、パソコンを使っているかもしれませんね。○パソコンの基本はいっしょ
「パソコンはむずかしい」という人がいます。でも本当は、パソコンを使ってなにかをするのは、決してむずかしいことではありません。
パソコンにもいろいろな使い方がありますから、最初は、おぼえることがたくさんあるような気がするかもしれません。
でも、パソコンの使い方は、基本になる理屈はいっしょです。基本になることがらをきちんと知っていれば、おぼえることも、うんと少なくてすむのです。
パソコンの基本の理屈をしっかりと身につければ、あなたはどんなパソコンでも自由に使えるようになるでしょう。(イラスト:会社の中で、お店の中など、いたるところで使われているパソコン。ex.公園でノートPCを使っている営業マン、パトカーの中にも小型のパソコン、とか)
パソコンは、いろいろなところで使われている。
(イラスト:パソコンに向かって頭を抱えているおじさん。傍らには山ほど本が積んである。それを横目に、すいすいと使いこなしているこども)
基本の理屈がわかっていれば、パソコンを使うのはむずかしいことではない。
022-023パソコンは「ハード」と「ソフト」でできている
○ハードは機械、ソフトは通訳
パソコンはハードとソフトの組み合わせでできています。どちらが足りなくても、思ったようには仕事をしてくれません。
ハードというのは機械のことです。人間と機械がじかに話しをすることはできませんから、人間と機械の間には通訳が必要になります。それがソフトです。ぼくたちに代わってハードを操ってくれるわけです。
どんなハードも、ソフトを通してでなければ、ぼくたちの命令を聞いてくれません。ですから、ぼくたちが実際に使うのはソフトの方だと言うことになります。
ソフトに命令を出すのが「パソコンを使う」ということなのです。
○マウスでアイコンを操作する
パソコンの操作は、アイコンという印をマウスで操作するのが基本になります。
マウスの仕事は、(1)画面の上で「ポインタ」という印を目的の場所まで動かすこと (2)目的の場所で、ぼくたちの4つの動き(クリック、プレス、ドラッグ、ドロップ)をソフトに伝えること
このふたつです。つまり、ぼくたちの命令をソフトに伝えるのがマウスの仕事です。
パソコンに命令をする大事なハードがもうひとつ、キーボードです。キーボードは、主に字を書くために使いますが、パソコンに特別な命令を出すときにも使います。
●ハードとソフト
機械や部品は全部ハードだ。ソフトは画面を通じて目にすることしかできない。
(イラスト:セッティングされているパソコン&周辺機器。傍らにソフトのパッケージ。パッケージの中からはCD−ROMやフロッピーが飛び出して、ディスプレイの中に飛び込んでいく。驚きつつ喜んでいるこども)
●パソコンはマウスで動かす
マウスはポインタを動かしたり、アイテムを選択したりするためのハード。ゲーム機のコントロールパッドのようなものだ。いろいろなマウスがあるが、一番多いのは2ボタン型のマウス。(マウスについては→134ページ)
(イラスト:マウスの動きに合わせて画面の「→」が動く)
●マウスの操作
▼クリック マウスボタンをカチッと押してすぐに離すのがクリック。アイテムを選択するときやボタンを押すときに使う。
(イラスト:クリック/マウスボタンを押す前=ポインタがアイコンの上にあるだけ→マウスボタンを押して離す=アイコンが選択されて反転する)
▼ダブルクリック すばやく2度続けてカチカチッと押して離すのがダブルクリック。フォルダを開くときやソフトを使い始めるときなど、アイテムを働かせるときに使う。
(イラスト:マウスボタンを押す前=ポインタがアイコンの上にある→マウスボタンをカチカチッ=アイコンがグレーのシルエットになって、ウィンドウが飛び出してくる)
★ゆっくり「カチッ、カチッ」とボタンを押すと、パソコンは「クリックが2回」だと思う。すばやく「カチカチッ」とやると「ダブルクリックが1回」だと思う。
▼プレス 押しっぱなしにすること。メニューを出すときやメニューから項目を選ぶときなどに使う。
(イラスト:ボタンを押す=メニューバーからメニューが出てくる。ボタンを離す=メニューが引っ込む)
▼ドラッグ プレスしたままポインタを動かす。マウスをずるずるとすべらせると、ポインタも動く。広い範囲を選択するときや、選択したアイテムを移動させるときなどに使う。
(イラスト:ボタンを押す=アイコンを選択。マウスを動かす=アイコンが移動する)
▼ドロップ ドラッグするときに押し続けていたマウスのボタンを離すこと。移動していたアイテムは、そこでポインタから離れる。ドラッグと合わせて「ドラッグ・アンド・ドロップ」という。
(イラスト:ボタンを押したまま移動する=選択したアイコンをウィンドウに移動する。ボタンを離す=アイコンがウインドウに入る)
***-***▼図解・パソコンの「デスクトップ」
ウィンドウズでもマックOSでも(→P74)、パソコンを使うときに最初に出会うのが「デスクトップ」。スイッチを入れられたパソコンが落ちつくと、最初にこの画面を表示する。つまり、パソコンで仕事をするのは、机の上に紙を広げ、道具を並べて仕事をするようなもの。ということは、やっぱり散らかしているのはよくない。整理しておくように心がけよう。
アイコン アイテムを表示するしるし。アイテムというのは、ファイルやフォルダ、メディアなど、アイコンで表示されるすべてのもの。マウスでつっついて働かせる。
メニューバー ここに書かれているのがメニュー。パソコンがそのときにできることを書き並べてある「お品書き」。マウスで選べる。マックOSではデスクトップの最上段にあるので、フォルダウィンドウにはない。
タスクバー ウィンドウズ95で常に表示されている。基本的な命令を出すためのメニューや、いま開いているウィンドウなどを表示している。マックOSにはない。
ウィンドウ パソコンからぼくらに向けて開かれた「窓」。すべてのやりとりは、デスクトップと、このウィンドウを通じてする。「四角い、中に何かある、操作できる」この3つがそろっていれば、それはウィンドウかその仲間の「バー」というもの。バーは棒のような形をしていてメニューやボタンが並んでいたりする。操作できないのはボックスと呼ばれる。
ダイアログウィンドウ メニューを選ぶと、パソコンに頼んだ仕事の内容によっては、この細かい「注文書」を出すことがある。そのときは、もっと細かい注文をしてやるか、「それでいい」と返事をしてやると、パソコンは仕事を始める。たいてい、やり始めようとした仕事をやめさせることもできる。
フォルダウィンドウ フォルダの中の、そのときに操作できるアイテムを表示するウィンドウ。ウィンドウズ95では、ここにもメニューバーがあるので、デスクトップにはない。
アプリケーションウィンドウ ファイルの内容を表示するウィンドウ。ウィンドウズ95では必ずメニューバーがあるが、マックOSではあったりなかったり。
ツールバー バーの一種。そのときに選べる道具が並んでいる。
ファイル パソコンが使うための書類。いろいろな種類がある。
フォルダ ファイルをしまっておくところ。フォルダの中にフォルダをつくることもできる。
メディア ファイルやフォルダをしまっておくもの。フロッピーディスクやハードディスクなどいろいろな種類がある。ウィンドウズ95では「マイコンピュータ」の中に、マックOSではデスクトップに現れる。
マイコンピュータ このパソコンに入っているファイル、ちゃんとつながっているハードは、この中に表示される。マックOSにはない。
Macintosh HD パソコン本体に入っているハードディスク。だいたいウィンドウズ95の「マイコンピュータ」の中にある「ドライブC」にあたる。
エイリアス フォルダやファイルの「分身」。名前を示す文字が斜めになっているのが目印。ウィンドウズ95の「ショートカット」にあたる。
ショートカット フォルダやファイルの「分身」。アイコンに→がついていているのが目印。マックOSの「エイリアス」にあたる。
ポインタ マウスの動きにつれて動いて、いま、マウスが指し示している場所を教えてくれるしるし。そのときにできる仕事によって形が変わる。文字が入力できるときには「カーソル」と呼ばれる縦棒になる。
024新しいソフトを使う、古いソフトを捨てる
あなたが使おうとするソフトは、たいていの場合、最初からパソコンに入っていて、使えるようになっていると思います。でも、新しく手に入れたソフトを使いたいときや、ソフトを捨てるときはどうしたらよいでしょうか。
ソフトを使える状態にすることを、インストールと言います。ソフトについてくるマニュアルでやり方を確認して、それからインストールや削除をするのが基本のやり方ですが、よくあるやり方だけ紹介しておきましょう。
買ってきたソフトは、たいていCD−ROMやフロッピーディスクに入っています。そのディスクを開くだけで、インストールを始めるソフトもありますが、たいていはディスクの中にある「インストーラ」とか「SETUP.exe」というファイルをダブルクリックしてやることで始まります。
ソフトは、ふつう本体に内蔵されているハードディスクにインストールされます。簡単なソフトには、ハードディスクにコピーするだけで使えるようになるものもあります。
ソフトを捨てるときは、インストーラのあるソフトなら、それを使って消すようにして下さい。ウィンドウズ95では「アプリケーションの追加と削除」というコントロールパネルがありますので、これを使うのも正しい方法です。
やみくもにソフトをごみ箱に入れて消すと、必要のないファイルがあちこちに残ってパソコンに悪さをすることがあるからです。
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