5/3、「ゆずてん」にゆく


家内の実家に行く前に、浅草橋「ゆずてん」に立ち寄る。


「ゆずてん」はマンガ家・須藤真澄の個展。5/3-5/7行われている。
※(5/8追記)会期が終わったので、ちょっと写真追加。

須藤真澄 おさんぽ王国
http://www.catnet.ne.jp/masumi/

Wikipedia:須藤真澄
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%88%E8%97%A4%E7%9C%9F%E6%BE%84

家内も子どもたちも大ファンである。最初に我が家に須藤作品を持ち込んだ私(だと思う。いや、カアチャンが先か?)だって、彼らほど「きゃー」ではないが、もちろんファンだ。すでにすべての単行本は我が家にあり、新作の刊行を常に家族で待ちわびている。
「ゆず」は須藤作品に80年代から登場している最重要キャラクターのひとつであると同時に、彼女の実在の愛猫でもあった(昨年他界。つまり、これはゆずの死去一年余を経てようやく可能になった追悼展でもあろう)。ウチの次女が2年前に捨てネコを拾って来たのだって、実はゆずを愛するあまりではないかとさえ思う。

会期中、須藤氏がずーっと会場に詰めていてサインに応じるとか、場内&展示物の撮影オーケーとか、オリジナルのゆずグッズ(スペースの関係で1日100個限定。その関係で一人当たりの購入個数制限あり)も販売されるとかで、どちらかというとマイナーな存在であろう須藤氏の個展としては混むんだか空いているのだか、はなはだ想像しにくい状況のなか、最終日は展示用のグッズが無償で配布されるとなると阿鼻叫喚の騒ぎも想像されるため、カアチャンは初日の13時オープンにターゲットすることにしたようだ。

会場であるADLIBカフェに到着すると、すでに場外に、会場を取り巻く長蛇の列(信じ難いけど、写真参照)。し、しまった、はずしたか?

どピーカンのなか、オープンの時刻からしばらくしても列が動かない。すわ、これは入場制限かと思うとさにあらず。まだ始まってなかったのだ。初日にはありがちか。しかし、入場が始まって動き出した列も、間もなく停止。ちょっと動いてまた停止。出てくる人はいない。どうなってんのかというと、入ってみてわかった。どうも、先に入った人たちをどうにか整理して、できるだけたくさんの人が入れるようにスタッフが獅子奮迅の働きをした模様。



↑この写真は、並び始めてから約20分、ようやく建物の入り口に到達したところ。なんか、異常に小さく見える中央の3人が妻子です。
カアチャンは花粉対策で、なんだか「ブキミくん((C)あづましでお)」と化している。来場者、当然だが微妙にオタ度高し。



↑看板に描かれたゆずの顔。


会場に入ると、すでに立錐の余地もない。よくまあ、わしら入れたな、という感じ。入り口から壁に沿って一方へずーーーっと人の列。絵のかかった壁を人垣で塗りつぶした先では、どうやら須藤氏らしき人物が必死にサインをしている。最初はよくわからなかったのだが、内側にもうひとつの列があり、そちらはグッズに続いていた。気付いたカアチャンはとっととグッズに並んでいたのだが、気付いていない私と子どもたちは壁沿いにへばりついて「カアチャンはどこだろうね?」「絵が見えないね」「待ってると、そのうちどうにかなるかな」などと茫然自失。
そこへカアチャンが帰還。グッズは1時間もせずに売り切れてしもたのだが、なんとか最後に残っていた貴重な品々のいくつかにありついてゲットしてきた。個数制限に引っかかりそうなものがあった(同じバッチがふたつ)ために、レジの前の列に、今度は私とカアチャンのふたりで並ぶ。レジ(段ボール製)にたどり着いてびっくり。レターセットにバッチに、と1500円か2000円ぐらいかなと思っていたのだが「750円です」。思わず聞き返しましたよ。あれ、原価割れですね。入場料金もないし、持ち出しなんですね、この個展。他人事ながらうろたえましたよ。

購入後、状況もわからないままにサインの列に並んでいる子どもたちのところに戻る。ここで入場から40分ほどだろうか。しばし進む(入場時から5メートルぐらいか)と、観光地によくある「顔出し看板」の前に出た。ゆずの顔に自分をハメるのだ(写真参照。中身は次女)。
飼い主になるんじゃないんだ、ゆずになるんだ、わはは。

さらに行列で待つことしばし。しかし、絵だけでも見られないものか。しかし、スペースがないか。ううむ。
と、スタッフの声が、モーゼの声のように響く。
「サインをお待ちの方は、ほかの方が絵を見られるように右に一歩、移動してください」
ざっ。
おお! 一瞬にして、絵の前に80cmほどの空間が! あー、気温が下がった(^^)
4人が交替で絵を見て歩く。おー、あれはあの本の表紙。あ、これとこれは初めて見る。雑誌で使ったのかな。「このコマ、ミラーに」って指示がある。なんだろう。雑誌と単行本でページの左右位置が逆になったときのためかな。
絵を見るたび見るたびに、子どもたちは「ゆんたん、かーいー!」うれしそうだ。来てよかった。
写真はムスメが特に気に入ったらしい「ゆずだんご」(ムスメ撮影)と、サインをする須藤氏のすぐ横にあったリアルゆず画(多分、色鉛筆)。

さらにほどなく、モーゼの声。
「すいませんが、10分間、サインを休憩させてください。整理券をお配りします。10分後の再開のときは整理券の順番にお並びください」
この天の声から間もなく、人の波はほどけ、会場内の展示をゆっくりと見られるようになった。
ゆずスタンプ、手づくりのゆずぐるみ、オリジナルグッズの文房具のみを集めたディスプレイ用の「文具セット」(非売品)、遊び心に満ちたの数々のゆずグッズ、あちこちの看板・ディスプレイの隅々までが、カアチャンいわく「学園祭のような」つくる喜び、飾る喜びに溢れていました。ここでまた、来てよかった、と思いました。

まもなくサインは再開。子どもたちも、それぞれ家から選んで来た本にサインをもらい、ほくほく。なんと、全部、個展仕様の「空飛ぶゆず」入りのサインです。

会場から出たのは、もうすぐ3時というころだが列は一向に短くなったようすはなかった。

いやあ、スタッフの皆様も、並んでいた皆様もお疲れさまでした(あ、いや、7日まで続くんですね。お疲れさまです)。スタッフの多くの方はおそらくお友達とお見受けしました。不慣れなことで大変だったことと、お察しします。ファンのため(というか、ゆずを好きだと思ってくれている人たち)のために、手探りでとってもたくさんの「ありがとう」を作ってくれたのだということを、ひしひしと感じました。
「お知らせ」のページにある、次のことばが「ごあいさつ」なんかじゃなくて、本気だということが、痛いほどわかりました。

今までゆずに優しい思いを抱いてくださっていた方に、
「長い長いさんぽ」で初めてゆずを知って、悼んでくださった方に、
心からの感謝を込めて、ちっとばかし楽しいことをやることにしました。

きっと、今日も明日も、ごったがえす会場で須藤さんは黙々とサインをし、写真におさまるのだ。スタッフの方々は人波の整理やグッズのあれこれや、その他のあれやこれやひっきりなしに出てくる用事に精を出すのだ。ありがとうございます。ありがとうございます。
あと、もひとつ。子どもにやさしくしてくれたスタッフの方、どうもありがとうございました。

カアチャンの実家に行き、4日の夜に帰宅してますびサイトの掲示板やmixiを見て、改めて「ああ、わしらはサインももらえて、グッズも手に入って、場内もちゃんと見られて、大変にラッキーだったのだなあ」と改めて確認。ちょっとしたタイミングで、同じような時刻に行った人でもどれもありつけなかったりしているのだ。うう、なんか申し訳ない。

おまけ。
この日の下の娘は、デンキネコTシャツ「NO DENKI NO LIFE」でした。


Posted: 金 - 5月 5, 2006 at 03:44 午後            


©