サポートの切れたソフトを使い続けるかどうか


Hot Wiredの記事から。

MS、マック用『IE』のサポートを年内で終了
http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20051220105.html

“米マイクロソフト社は、マックOS版の『インターネット・エクスプローラ』(IE)のサポートを12月31日(米国時間)で終了する。また、2006年1月31日でウェブサイトからのマック用IEの配布も終了する。”とのことです。

このことを、最近環境を再構築中の知人にメールで知らせた。相手はパソコン全般に疎い。だから「じゃあ、どうすればいいの?」と聞かれるだろうなあと思いつつ、そこは書かずに単に知らせただけ。そしたら、案の定こんな返信が。

“マック用のIEは、しばらく前からバージョンアップをしなくなって、サポート終了も時間の問題、でしたが、結局そうすると、どうなるの? 急にどうこう、ってわけではないですよね。これを期に別のなにかに変えた方がいいの?”

以下、知人に送った返信から再構成。

私の推奨としては、前から「MS製品は、どうしても必要なときしか使わない」です。なぜそうなのかは、いろんな理由があって一言では言い切れない。でも悪意のターゲットになりやすいから、というのが大きな理由。しかし「どうするか」については、各人が危険性だの利便性だのを判断して決めるしかありません。

「どうなる」というのは、「問題が見つかっても対処されません」ということと、「お問い合わせにお答えできなくなります」かな。

サポートの切れたソフトを使い続けるかどうかの判断基準は下記かな、と思います。
・安全性やら確実性を自分なりに判断できるか
 →できるなら、使い続けるのももよいでしょう
 →できないなら、サポートのあるソフトに乗り換えを推奨
・そのソフトでなければならない理由があるか
 →ほかのソフトでは、その要求は果たせないのならば乗り換えは不能なので、使い続けるか他のソフトを併用するとかになる
 →ほかのソフトでも我慢できるのなら乗り換えを推奨
・サポートを利用したくなる可能性があるか
 →あるならば、サポートがあるソフトに乗り換えた方がよいのでは
 →ないならば好きにすればいい

お年寄りや極端にストレスに弱い人の場合には、また別の判断基準が必要だろうと思います。たとえば「慣れてるソフトの方がいい」わけじゃないですか。一般には、それを判断基準に入れてしまうと、安全や確実性の点では合理的判断ができなくなるのだけど、そっちの方が重要な場合もあるとかさ。

人によっては、ほかのブラウザに乗り換えれば済むといえない場合もあるという問題もあるわけです。

実は、DTPの世界でもサポートの切れた製品を使い続けている人は少なくない。OCFフォントとQuarkXPress 3.xが代表だけど、「クライアントから、これを使ってくれと言われるから仕方がない」なんて言って使い続けているのだ(こういうことを言う人は、クライアントになにか要望しては仕事を失うと思っていることが多い。実は理を尽くした説明や提案であれば必ずしもそんなことはないのだけど)。
サポートが切れた製品を技術に詳しくない人が使い続けて、万一のときにどうするつもりなんだろう、とも思う事は思う。でも、保証期限が切れたからって家電なんか捨てない(当たり前だ)。本当にエラい目に遭っちゃうことなんて、どれぐらいの確率だよと思うと、Mac版MSIEの場合、すごく低いよな、ということもある。

自分のことならすぐに決められるけど、ほかの人からの相談に答えるのは難しい問題です。

Posted: 木 - 12月 22, 2005 at 08:24 午前            


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