『笑えるコンピュータ』で笑おう(^◇^;)

98年6月に刊行された草思社『笑えるコンピュータ』(デイヴ・バリー著、東江一紀訳)の書評や、同書を紹介してくれた記事の紹介コーナーです。同書はパゲマスが編集とDTPに携わっておりますです(^^ゞ


【その1】Mainichi Daily Mail Internet, No.474, 1998.06.08, 6

「笑えるコンピュータ」出版
米コラムニストのギャグ満載コラム集

 米国のコラムニスト、デイブ・バリー氏がコンピューターやインターネットの世界をギャグ満載で批評した「デイブ・バリーの笑えるコンピュータ(原題、Dave Barry in Cyberspace、東江一紀訳)」がこのほど、草思社(東京都渋谷区)から出版された。四六判、254ページで1900円。バリー氏は米マイアミ・ヘラルド紙などに寄稿するコラムニストで、ピュリツァー賞も受賞したジャーナリスト。パソコンユーザーがよく出くわすトラブルや、インターネットの世界の楽しさや可能性、不可解さを、時に下ネタギャグも交えて批評している。

 「最初にまず断っておくが、私は根っからのコンピュータおたくである」と書き出し、「わたしは常に、新しいコンピュータを探し求めている。今使っているやつが古くて使いものにならなくなったら、すぐに買い替えようと思っているのだが……」と、買ったとたんに古くなるパソコンの世界を紹介して書き出すコラムは、パソコンユーザーなら思わず笑える話題であふれている。

 バリー氏はパソコンOSについて「私はウィンドウズ95を熱愛している。その第一の理由は、このOSの構造が信じがたいほど複雑」だからで、「これはわれわれコンピュータおたくにとって非常にたいせつな要素だ」「われわれがコンピュータを使う最大の理由は、機械にいたぶられるためなのである。試練を伴わないパソコンなどいったいなんぼのものだろう」と言う。世界最大のコンピューター展示ショーのコムデックスは「電脳オタクたくたちのウッドストック」で、コンパニオンについては「彼女たちのユニフォームの下のほうをちらっと見ることで、情報革命の促進に協力している」と展示会の様子を描写している。

 また、インターネットについては、夜8時になって明日が期限のレポートで調べものをしようと思った12歳の少年が、「あの革命的な情報スーパーハイウェイにアクセスすると、手慣れた操作で北アメリカ大陸じゅうの同世代の少年たちとヌード画像の交換をはじめるだろう」と指摘する。おすすめサイトの紹介では、ギャグだけでなく、実際に出会ったことのない中年の男女がネットで恋愛感情をいだく様子を小説さながらに記した章もある。

 草思社の編集担当者は「パソコンユーザーが読んだら必ず笑ってもらえる自信があるが、パソコンに詳しくない人でなくても楽しめる。翻訳者の東江さんはベテランで、時にロックンロールの話題を散りばめたバリー氏特有のアメリカンギャグを、絶妙な文体で日本語にしている」とし、「ヘビーユーザーだけでなく、パソコン初心者やパソコンなんてさわりたくないと思っている人にも読んで欲しい」とピーアールしている。

(小島 昇 Staff Writer)


【その2】『週刊アスキー』,7/9号, p125,"WAM BOOK REVIEW" 徹夜の本棚 今週の一冊

コンピューターにまつわる悲喜劇を笑い飛ばす!
「デイヴ・バリーの笑えるコンピュータ」

 アメリカきってのユーモア・コラムニスト(……なんて紋切り型の紹介?)、デイヴ・バリーといえば、これまでにもアメリカだ日本だと、デカい相手を“笑い飛ばして”きた物書きだが、彼の今回の矛先が“パソコン”。てなわけで購入時のドタバタにはじまって、セットアップの四苦八苦、インストールの不条理、ソフトウェアの混乱、ワープロソフトの冗漫さ、インターネットの使えなさ、果ては見本市のから騒ぎ……など、コンピューター産業とそれにまつわるライフスタイルの悲喜劇を余すところなく書き綴る。こうした逸話は洋の東西を問わぬものらしく、日本の読者も大いに共感をおぼえるところだ。門外漢にとっては何がおもしろいかすらわからず、ヘビーユーザーになるほど味わいの出てくる内容だが“役に立つ情報が一切書かれていない”という意味でも、これはなかなか珍しい本かもしれない。

 とはいえデイヴは、この現代のパンドラの箱を「使えないからツブせ!」とアジる、いわゆるラッダイト主義を標榜しているわけでもない。どうにもこうにも“手間だらけ”の不良品モドキだとしても、現代アメリカ社会のある人々にとっては、もはやパソコンは必要不可欠なツールになってしまった……そういう前提を踏まえているからこそ、かくも偏執的な筆致で書かれたパソコン業界への悪意とからかいも活きてくるのだろう。

 ちなみに原書の刊行は'96年。矛先の一部は(発売直後の)ウィンドウズ95に向けられていたりして、秒進分歩のサイバー産業の歩みからいけば、いささか古びた話題に感じられる箇所もなくはない。しかし、ここで描かれる茶番劇は(基本的に)今日もなお“継続中”だし、おそらく今後もしばらくの間は、変わりようもなさそうだ。つまりユーザーとパソコンの“腐れ縁”は、アップグレードの速度みたいに変転しえない……という真理がここから読み取れる(?)。

(編集者/木村重樹)


【その3】『週刊アスキー』,7/9号, p61,「神足裕司の電説」vol.69

急に草思社ファンになった!?

[これはパゲマスタによる紹介文です。現物はお店で見てね(^^)]

 なんと、神足さんは本書にアメリカで眼をつけて、訳書を刊行すべく週刊アスキーF岡編集長と版権を調査中だった! そこへ、草思社から同書が届いたので、どうもバカ受けしたようだ。
 原書の裏表紙に書かれた“感情アイコン”[つまり:-)こういうやつ]をとり上げて、「裏表紙だけで価値がある。是非私に翻訳させて欲しい」と懇願したというからうれしい。
 しかも、ここまで入れあげていつつ、訳書を読んで「あーこれは私なんかがでたらめな翻訳をして台無しにしなくてよかったと思わせる素晴らしいテクニックがある。」と絶賛!
 おまけに神足さんは、どうやら草思社のパソコン・インターネット関連書の愛読者だったときては(しかも、自覚がなかったようで、『笑える〜』の巻末広告を見て驚く話が出ている)、一連の本を担当した草思社編集部の藤田さんも笑いが止まらないことだろう。

 藤田さ〜ん、やっぱり神足さんに送ってよかったですね(^^)


【その4】NiftyServeの「パソコンの本フォーラム(FPCBOOK)」6番会議室[読感】Windowsの本・パソコン入門の本](nifty:FPCBOOK/MES/6/2)でもとり上げられてます(^-^)/
【その5】『日経Mac』8月号(訳者名・出版社名・ページ数・価格はことごとく誤報です)

デイブ・バリーの笑えるコンピュータ
マックの使いやすさをほめ殺しにする
パソコンに関するジョーク集

木下恂訳 中央公論社刊 240ページ 1500円

 ちょっと刺激的な文章をそのまま引用しよう。「われわれ電脳正統派は、アップルをまともなコンピュータとは、見なしていない」。その理由は、「ユーザーフレンドリーなコンピュータという軟弱な代物は要らない」。Windowsパソコンのように試練を伴うパソコンと、誇りを持って闘う道を選ぶのが、正しいパソコン・ユーザーであるとしている。
 米国の人気コラムニストの著者は、パソコンの不完全さ、サポート・センターの理不尽さ、ユーザーの辛抱強さなどをサカナに笑いに昇華する。「そういえば、そうだな」と思わず苦笑してしまうことが多いだろう。日本語訳の意訳の絶妙さに感心する。


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