好奇心旺盛な子どもたちと、出遅れたオトナのための
ゼロから始めるパソコン・マスター!

 


Part 1
ソフトを使ってみよう

01/04up その2:通信、電子メール、ブラウザ、プロトコル、統合ソフト、ゲームなど

 


048-049

パソコン通信やインターネットで友だちを作ろう

○「名前」と「パスワード」

 前にも少し書いたように、パソコンを電話回線に繋ぐと、まるで通信機のように使うことができます。
 パソコンで手軽に通信をするには、2つの方法があります。ひとつはパソコン通信を使う方法、もうひとつはインターネットを使う方法です。
 どちらの場合も、その通信サービスをやっている会社(上のコラムも参照して下さい)と契約をして、主に自分の「通信用の名前」と「パスワード」をもらうことで、通信ができるようになります(ほかにもいくつか必要なものがあります。上の図を見て下さい)。
 「通信用の名前」は、コンピュータが簡単に判断できるように、アルファベットと数字の組み合わせでつくられたものです。パソコン通信の場合はID、インターネットの場合はメールアドレスと呼ばれます。
 「パスワード」というのは、その名前を使っているのが本当に本人だということを示すための暗号です。やはりアルファベットと数字の組み合わせで作られています。銀行のカードを使うときなどに暗証番号がありますね。あれと同じです。
 自分のIDを入手するためには、パソコン通信の会社と、メールアドレスを入手するためにはプロバイダと呼ばれる、通信サービス会社と契約しなければなりません(→P××)。

●名前とパスワード

(メーラーの設定画面2種類)

メーラーを使えるようにするための「設定画面」です。

インターネットの場合

自分のメールアドレスやパスワード、自分が利用しているサーバーの名前などを書き込みます。これらは自分が使っているサービス会社から教えてもらいます。

パソコン通信の場合

自分のIDやパスワード以外にも、接続先の電話番号やいろいろなことを記入するようになっています。

●インターネットとパソコン通信

パソコン通信は以前はインターネットとは切り離されたものでしたが、今ではインターネットの一部といってもいいでしょう。

(イラスト)

 

 


048-049

電子の郵便、電子メール

 

○電子の郵便「電子メール」

 通信の世界には、紙を使わない手紙があります。電子メールです。
 相手のIDかメールアドレスがわかっていれば、その人に手紙を出すことができます。この通信の世界では、同じ名前の人は世界中に一人しかいないように、工夫されているからです。
 電子メールをやりとりするには、「メーラー」とか「メールソフト」と呼ばれているソフトか、メール機能を持っているそのほかのソフトが必要です。
 電子メールは、ふつうの郵便とちがって、配達されるのにほとんど時間がかかりませんし、距離が遠いからとよけいに料金がかかることもありません。地球の裏側とでも、おとなりの家と同じようにやりとりができるわけです。
 電子メールのいいところは、なんといっても手軽なところです。
 電子メールを出す人は、自分のコンピュータを使うわけですから自宅や学校、職場などを離れて、ポストまで行く必要がありません。急いでいるときに、切手の買い置きがない、とか、きれいな封筒がない、なんて困ることもありません。
 電子メールを受け取る人にとっても、電話よりは気軽です。いそがしいときにかかってきても出なければならない電話とちがって、電子メールは自分のつごうのいいときに読んだり書いたりすることができるからです。
 ふつうの郵便で封筒にほかのものを同封するのと同じように、電子メールでもほかのソフトで作ったデータなどを同封することができます。電子メールの場合は同封ではなく、「添付」といいますが、送られた相手も同じようなソフトを持っていれば添付したファイルを使うことができるわけです。

●電子メールのやりとり

自分の契約している会社にサーバーと呼ばれるコンピュータがあり、そこをポストのように使って、電子メールをやりとりします。電話回線を使って、このポストまで行かなければ電子メールを出すことも受け取ることもできないわけです。

(イラスト)

 

 


050-051

ブラウザの向こうに世界が見える

 

○ブラウザで世界中を見て歩こう

 最近のパソコンは、どれも買ったときから「ブラウザ」と呼ばれるソフトがついてきます。新聞では「閲覧ソフト」などとも呼ばれています。
 このブラウザを使うとインターネットにつないで「ワールドワイドウェブ」で「ホームページ」を見ることができます。
 「ワールドワイドウェブ」というのは、「世界中に張り巡らされたクモの巣」という」ような意味で、世界中のコンピュータがインターネットでつながっているようすを表したものです。ふつうWWWと略されます。
 WWWには、世界中で作られて公開されている「ホームページ」があふれています。「ホームページ」はさまざまな個人や団体がつくっている壁新聞のようなもので、誰でも見ることができます。
 ブラウザはWWWで、ホームページを見るためのソフトなのです。したがって、今でもウェブ・ブラウザとも呼ばれます。
 ところが、最近では、ブラウザにも新しい機能が増えてきて、ホームページを見る以外にもいろいろなことができるようになってきました。大きなソフト会社の中には、いろいろな仕事をこのブラウザを通してするようにしようと考えている会社もあります。
 こうした変化は、今後もどんどん進んでいくでしょうから、そのうち、わざわざ「ウェブ・ブラウザ」と呼ぶ人はいなくなってしまうかもしれませんね。

●ブラウザの向こうに世界がある

WWWは「世界中に広がったクモの巣」のこと、日本だけでなく世界中のホームページを見ることができます。

(イラスト:ブラウザに表示された、日本と外国の小学校のホームページ)

 


052-053

わすれちゃいけない「プロトコル」

 

○メーラーやブラウザのお助けマン

 インターネットで電子メールをやりとりしたり、ホームページをブラウザで見るためには、パソコンを電話回線につながなければなりません。実は、そのために必要なソフトがあります。
 そのひとつがダイアルアップ接続用のソフト、もうひとつはプロトコルソフトです。
・ダイアルアップ接続用ソフト
 これは、自分が契約している通信サービスの会社(プロバイダ)のコンピュータに電話をかけて、自分のコンピュータをインターネットに接続できるようにするためのソフトです。
・プロトコルソフト
 インターネットで世界中がつながっているのには、わけがあります。それは世界中のコンピュータが同じ約束事で通信するようになっているからです。
 この「約束ごと」を「プロトコル」といいます。通信プロトコルにはさまざまな種類があるのですが、インターネットで使われているのは「TCP/IP」という名前のプロトコルです。
 どんなパソコンも、TCP/IPが使えるようになっていなければ、インターネットにつなぐことはできません。そこで、最近のパソコンにははじめからTCP/IP接続用のソフトが入っています。
 もしも、君のパソコンが少し古くてこのようなソフトが入っていなくても、心配することはありません。雑誌の付録などで簡単に入手できますし、パソコン通信をやっているのならそこで入手することもできるでしょう。
 そのほかにも、いろいろなソフトが必要なのですが、それはほとんど通信用の周辺機器をコントロールするために必要なもので、その周辺機器といっしょについてきているはずです。
 こうしたソフトは、はじめて機器を接続したときやインターネットに最初に接続するときをのぞいては、いつもはそれがあることさえ意識しなくてすむものです。しかし、うまくパソコンが動かなくなったときには、もういちどチェックし直さなければいけないかもしれません。ですから、「こういうソフトもあるんだ」ということはおぼえておきましょう。

 

●これをしなけりゃインターネットは始まらない

電話回線を使ってインターネットにつなぐためには、このふたつの設定をしなければならない。設定する内容は、自分が契約したプロバイダから教えてもらえる。

(設定画面)

・ダイアルアップ接続用ソフトの設定
プロバイダに何という名前とパスワードで登録したか、プロバイダのコンピュータの電話番号は何番かということをパソコンに教えるものです。

プロバイダの名前
プロバイダの、最寄りのアクセスポイント

自分のメールアドレスの「@」より前の部分
パスワードは、最初はプロバイダに指定されるが、後で自分で決めたものを登録し直す

・TCP/IPソフトの設定

パソコンに「TCP/IP」ということばをしゃべってもらうためのソフトです。接続する先のコンピュータ(サーバー)が何という名前なのか(数字で表されます)、自分のパソコンはどうなのか、などを設定しておきます。

ソフトによっては、いくつもの設定を登録しておけます

学校のサーバーにつながっているときなどはここも指定します

プロバイダが指定してきます

 


054-055

パソコン通信とインターネット

 
 パソコン通信とインターネットの、いちばん大きな違いは、管理人がいるかいないか、ということです。
 パソコン通信は、会員から会費をもらって行われているサービスです。ですから、会費を受け取っている会社が管理・運営しています。ところが、インターネットは、研究者たちの間で自然に生まれたものです。そのため会費を取ったり管理・運営している人はいません。
 実際には、インターネットに接続するためには、とちゅうにさまざまなコンピュータが挟まっています(サーバーと呼ばれるコンピュータがそれです)。そして、それぞれのコンピュータを管理している団体や会社(プロバイダといいます)があります。わたしたちはそうした団体や会社と契約することでインターネットを利用することができるのですが、こうした会社や団体はインターネット全体を管理しているわけではないのです。
 ついこの前までのパソコン通信は、ちょうど、この途中に挟まっているサーバーコンピュータを、インターネットから切り離して取り出したようなものでした。
 もともとパソコン通信は、会員になった人たちの間だけでしか電子メールもやりとりできない「閉じられた」ものでした。
 インターネットは最初から世界中とつながっていることがあたりまえの「開かれた」ものとして始まりましたので、この点でも大きくちがうといえます。
 しかし、インターネットの利用者が増えてきたことや、パソコンで通信をするための通信回線などの環境が整ってきたために、パソコン通信とインターネットの境目はどんどんあいまいになってきました。
 大きなパソコン通信の会社は、別の会社のやっているパソコン通信のサービスと自分の会社のやっているパソコン通信サービスの間でも、電子メールのやりとりができるように早くからしていました。それが、もうほとんどどこのパソコン通信の会社とでもやりとりができるようになり、今では、パソコン通信を利用していない、インターネットだけの利用者ともで電子メールのやりとりができるのがふつうです。
インターネットは、電話線などを使ってサーバーというコンピュータ同士がつながってできている。パソコン通信会社のコンピュータも、サーバーの一種だ。だから、どれかのサーバーにつながっていれば、どのパソコンとでも電子メールのやりとりができるわけだ。
 


056-057

いろいろつまった便利ボックス「統合ソフト」

 

○統合ソフトがひとつあればじゅうぶん!

 ワープロ、表計算、お絵かきに通信、とわたしたちがよく使いそうなソフトをひとつにまとめたものが、統合ソフトです。
 最近は、ひとつのソフトにまとめた「統合ソフト」以外にも、複数のソフトをひとつのパッケージにまとめた「スイート」といわれるパッケージも人気があります。
 統合ソフトやスイートの良い点は、いくつかあります。まず、ひとつひとつのソフトを別々に買うよりも安上がりなこと。
 次に、細かい操作まで統一感があること。
 ワープロはA社の、お絵かきソフトはB社の、というように別の会社のソフトをいろいろと使っていると、操作方法が少しずつ違ってとまどうことがあります。ひとつの会社の製品でまとめられている統合ソフトやスイートでは、こうしたことは少ないといえます。
 最後に、ソフト間でのデータのやりとりが簡単なこと。
 ほとんどすべてのソフトは、独自のファイル形式を使っています。そのため、作ったままのデータでは、別のソフトで利用することができない、ということがけっこうあります(上のコラムも読んでみて下さい)。
 でも、統合ソフトでは、そんなことはまずありません。ややこしいことは考えないで作業ができるわけです。
 しかし、統合ソフトは、単独のソフトに比べて「多機能」という点では劣ることがほとんどです。でも、値段を考えたらしかたないことかもしれませんね。
●いくつものソフトがひとつに!
(イラスト)
ワープロソフト+表計算+通信+お絵かき+統合ソフト
 

●カコミ:ファイル形式

 コンピュータであつかわれる文字や画像、音声などをひとまとめにして、データと呼びます。パソコンのソフトは、これらのデータを自分のあつかいやすい形にしていろいろな加工・編集をするわけです。加工・編集した結果を保存しておくのが「ファイル」です。
 いいかえれば、すべてのデータはファイルとして保存される、ということになります。
 ソフトごとに、自慢の機能はそれぞれ違うのですが、そのためにファイル形式もソフトごとに違う、ということが起きてきます。同じワープロソフトだからと言って、A社のワープロで作ったファイルがB社のソフトでも、そのまま読めるとは限りません。
 そこで、コンピュータの世界では、「共通フォーマット」と呼ばれるファイル形式がいくつかあります。これは、どのソフトでも読めるような形式のことです。と言っても、どこかの団体がまとめて管理しているわけではありませんので、「広く使われている」という意味で、「事実上の標準形式」となっているだけのものがほとんどです。
 文字と画像、音声などについて、最近の標準と思われる形式を一覧にしました。ここにあげた形式でデータを作れば、そのデータをもらった人も、苦労せずに利用することができるでしょう。

表:代表的なファイル形式

種類

名称

拡張子*

特徴

文字

テキスト

.txt

あらゆるコンピュータの標準的なデータ形式です。文字と改行、タブだけで構成されるファイルです。文字の大きさやフォントなどは指定できません。

リッチテキスト

.rtf

テキストデータに文字の大きさ、フォント、スタイル、色のデータも合わせて保存できる形式です。ウィンドウズのソフトに増えてきました。

ワード文書

.doc

「マイクロソフトワード」というワープロソフトのファイル形式ですが、広く使われているソフトなので、ほとんどのワープロソフトは、このファイルを読めるように作られています。

画像

ビットマップ

.bmp

ウィンドウズの標準画像形式です。

ジェイペグ

.jpg

画像を圧縮して保存する形式です。最も広く使われている形式のひとつです。

ジフ

.gif

インターネット上で広く使われています。

ピクト

.pct

マッキントッシュの標準画像形式です。

音声

標準ミディ

.mid

楽器だけの音声では最も多く使われています。

動画

エムペグ

.mpg

動画を圧縮して保存する形式です。

*=「拡張子」というのは、ファイル名の後ろに「.」(ピリオド)とアルファベット3文字でつけられる記号です。ファイル形式を示しています。
ウィンドウズやMS-DOSではこれをどのファイルにも必ずつけます(ウィンドウズでは隠されていますが、設定を変えると見ることができます)。


058-059

ゲームができなきゃはじまらない?

 

○パソコン用にも、ゲームはいっぱい

 テレビゲーム機を持っている人も多いでしょうけれども、あれもコンピュータのなかまです。ゲーム専用に作られているコンピュータというわけです。
 ということは、パソコンでも、ゲームができるわけです。ちょっと違うのは、ゲーム機用のゲームがそのままできるわけではないところです。
 ゲーム機用に作られているゲームをパソコンで使えるようにするソフトがあれば別ですが、基本的にゲーム機のゲームはできません。パソコン用のゲームとして作られているものしか、遊べないのです。
 でも、安心して下さい。同じゲームがパソコン用に作り替えられたもの(移植、といいます)もありますし、パソコンでしか遊べないゲームもたくさんあります。
 ゲーム機で使うようなコントローラーも、いろいろと売っています。
 パソコン用のゲームは、データを差し替えながらより広く、深く楽しめる「シミュレーション」系のゲームに人気が集まっています。
 一番人気があるのは「フライトシミュレータ」という、飛行機を飛ばすゲームです。実際の飛行機と飛び回る地域のデータを忠実に再現したもので、このゲームのための飛行機のデータや、飛び回る地域のデータがたくさん発売されています。操縦幹も、それぞれの飛行機のものが発売されています。
●ゲーム機のソフトをそのまま遊ぶことはできない
 
●人気があるのはシミュレーションソフト
パソコン用のゲームで人気があるのは、現実のものをコンピュータで再現したシミュレーションゲームが多い。飛行機の操縦や電車の運転などがとってもリアルに体験できる。また、自分が司令官になって第二次世界大戦の軍隊を指揮する、というゲームもある。どれも、実際のように、さまざまな条件や複雑なデータが織り込まれているので、簡単にはクリアできないぞ。

 


060-061

ゲームで世界中の仲間と遊ぼう

 

○星の数ほどあるゲームたち

 パソコン用のゲームには、会社ではなく、ふつうの人が作ったゲームがたくさんあるのが特徴です。
 だいたいは簡単なゲームですが、中には売っているゲームも顔負けの大作もあります。
 こうしたゲームは、だいたいパソコン通信やインターネットを通じて入手することができますが、雑誌の付録になっているものも少なくありません。ゲームを作るのは日本の人だけではありませんので、この中には海外のゲームもたくさんふくまれています。
 お店で売っているものに比べて、大変安いものがほとんどですので、こうしたゲームソフトのファンの人も多く、それに刺激されて、ゲームを作る人もまた増えています。

○通信を使ったオンラインゲーム

 人気のあるゲームの種類にRPGというものがあります。自分が主人公の勇者になって怪物や悪者と戦ったりしながら、目的(お姫さまを助けたり、財宝を見つけたり)を達成するゲームです。
 最近はインターネットを使ったRPGが盛んになってきました。コンピュータの中に作られた空想上の世界の住人になって、そこでさまざまな冒険をするのですが、ほかの住人たちも、実は別のプレイヤーが操っているのです。彼らにとっては、自分が主人公なのですから、ちょっと話がややこしいですね。
 こうしたゲームは、オンラインゲームと呼ばれています。世界中からつなげられるので、あなたの目の前の住人を、実は外国の人が操っている、なんていうこともあるのです。
 海外に中心となるコンピュータがある場合は英語でプレイすることになりますが、最近は日本にも日本語でプレイできるものが出てきて、人気を集めています。
●通信を使ってゲームを手に入れる
パソコン通信やインターネットを通じて入手できるミニゲームがたくさんある。中には大ヒットして商品化されたものもある。
 
●通信で世界を結んだゲーム
コンピュータの中に作られた広大な世界の中で、冒険をしてみよう。たくさんのプレイヤーが、同時にそのゲームをしている。ゲームの中で出会う人たちは、実は、そうしたほかのプレイヤーたちだ。

 

以下
その3:ディスク診断ツール、圧縮ツール、スクリーンセーバー、ソフト開発ツール、著作権 OS、カスタマイズ、オンラインソフトなど と続きます。


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