好奇心旺盛な子どもたちと、出遅れたオトナのための
ゼロから始めるパソコン・マスター!

 


Part2
ハードも知らないとソンをする


126-127

ハードも知れば、ますます安心

○バランスが大切

 パソコンのハードは、本体と周辺機器に分けられます。どちらかが大事かというとむずかしいところです。本体と周辺機器、ソフトもふくめた全体のバランスがとれている必要があるからです。
 ハードを変えることでパソコンのパワーアップができることはよく知られています。これは、本体の部品を追加・交換することでも、周辺機器を追加・交換することでもできます。
 そんなとき、本体ばかり高性能にしても、周辺機器の性能が低ければよい結果が出ないこともあります。
 また、用途によっては高性能なハードはいらない場合もあります。パワーアップとは反対に、ハードの性能に合わせたソフトを選び直すことで、よりスムーズに動かすことができることもあるのです。
 ハードについても基本的なことは知っておかないと、そんをしてしまうかもしれないのです。

○基本ルールを守れば安心

 パソコンは精密機械ですから、本体も周辺機器もあつかい方のルールをまもらないと意外に簡単に壊れてしまいます。
 その逆に、上に示したような基本的なルールさえ守っていれば、少しぐらい操作を間違えたからといって壊れることはめったにありません。
 安心して、いろんなハードをどんどん使ってみてください。

●ハードを知らないとそんをする
パソコンは本体・周辺機器・ソフトのバランスが大事。一部にだけ飛び抜けて高性能なものを使っても、いい結果が出るとは限りません。

(イラスト:釣り合いがとれて快適!VS ひとつだけ高級品で、具合が悪い)

●ハードを使う基本ルール
ハードを使う上での最低限のルールです。必ず守ってください。
・コンセントを抜くときは、必ず先に電源スイッチを切る。
・電源スイッチを切る前に、いまスイッチを切ってだいじょうぶか確認する。
・コンセントにつなげたままで移動しない。
・周辺機器を接続したり抜いたりするときには、コンセントを抜く。
・必要もないのに、ネジ止めしてあるふたを開けない。それだけで保証がきかなくなるものもある。
・フロッピーディスクドライブなど「アクセスランプ」がついているものは、アクセスランプが消えるまでショックを与えたり、ディスクを取り出したりしない。
・ほこりや煙の多いところで使わない。
・水をかけない。掃除はかわいた布などで行う。
・直射日光の当たるところに置かない。
・雷が鳴ったら電源スイッチを切ってコンセントを抜く。
(適宜、イラスト化する)


128-129

パソコンのエンジンルーム「本体」

○心臓「CPU」が入ってる

 パソコンの本体って、何が入っているんでしょう?
 パソコンのエンジンとも心臓ともいわれる大事な部品に「CPU」(「中央演算処理装置」ともいいます)があります。パソコンの仕事の基本になる、計算をするところです。
 CPUはパソコンのパワーを決める、大切な部品なのです。それが収められているのが本体です。
 CPUの種類と、クロックと呼ばれるCPUの仕事の速さは、パソコンのパワーをはかる大切な目安なので、カタログなどでも必ず「Pentium200MHz(ペンティアム、200メガヘルツ、と読みます)」などと書かれています。

○おぼえる力だ「メモリ」

 もうひとつ、メインメモリも本体に入っています。CPUが仕事をするときに、いろいろなことを一時的におぼえておく、やはり大変大切なところです。
 ここに一度にどれぐらいのことをおぼえさせておけるかで、パソコンのパワーは変わってきます。
 メモリの大きさはMB(メガバイト)という単位で表されますが、メインメモリがふんだんにあると、パソコンはいろいろなことを楽々こなすことができるわけです。逆にこれが少ないと、OSだって動かないことがあります。
 パソコンのパワーを見るときに、CPUとメインメモリの2つは欠かせない要素です。

イラスト:本体のふたを開けて、中からCPUとメモリが顔をのぞかせているところ、とか……

●CPUとパソコンのパワー
CPUの種類とクロック数でパソコンのパワーが決まる。同じクロック数なら、どのCPUが強力かをまとめたのがこの表。ふつうに使うならまん中あたりのCPUでじゅうぶん。

表:
古い・遅い←                 →新しい・速い
インテル系(ウィンドウズ)
386→486→Pentium→PentiumPro→Pentium→MMXPentium

モトローラ系(マックOS)
68LC30→68030→68LC40→68040→PPC601→PPC603→PPC603e→PPC604→PPC604e→PPC750
(PPCはPowerPCの略です)

イラスト:必死に徒競走をするCPU

●クロック数って何だ?
CPUの計算速度を表すクロック周波数はMHz(メガヘルツ)という単位で表される。1MHzは1秒間に百万回の計算ができるということだ。


----カコミ-----
メモリと記憶メディア
ハードディスクやフロッピーなどの記憶メディアも、データをおぼえておくところだ。メモリとどこが違うのだろう? メモリは、データをやりとりするスピードがだんぜん速いのだ。CPUは1秒に1〜2億回もの計算をする。記憶メディアでは、これに追いつけない。
------------------

●メモリが足りないと……
ソフトは起動されるとメモリに居座ってしまう。そのため、いくつものソフトが動いていてメモリが足りなくなると、それ以上ソフトは起動できなくなる。すでに起動しているソフトも、ちゃんと動かなくなる。そんなときは、使っていないソフトを終了させてメモリに空きを作ろう。

イラスト:メモリの上にソフト。二つまでは乗っかり切るが、3つめが落ちそうにしている。


130-131

パソコンをパワーアップする周辺機器

○周辺機器は4種類

 パソコンの周辺機器にも、いろいろなものがあります。その種類は、ほぼ4つに分けることができます。
・入力機器
・出力機器
・記憶メディア
・その他
 最初の3つは、なければパソコンは使えないものです。
 それぞれがどんな働きをしているのかは、この後のページで見ていくことにしましょう。

○買う前によく考えて

 それにしても、どうしても必要なものは、ふつうは、もう本体といっしょにそろえているはずです。とくに、記憶メディアはたいがい本体に内蔵されているでしょう。
 周辺機器の中には、必ずなければならない種類のものもあれば、特別な用途のときにしか使わない種類のものもあります。
 また、同じ種類の周辺機器でも、大きさや速さなど、能力がちがうものがいろいろあります。
 どうも、パソコンというものは、使い始めると本体にしろ周辺機器にしろ、もっと便利なもの、もっと能力の高いものが欲しくなるようです。
 でも、どれも何万円もするものです。例えば年に1度か2度だけ使うものにそんなにお金を使っていいものでしょうか。それよりもフロッピーやソフトを買い足すほうが役に立つかもしれませんよ。

●周辺機器の4つの種類
周辺機器は、その働き方の違いで4つの種類に分けられる。
(図:パソコンを中心にして放射状に4つのグループを並べる。以下は例です。全部並べて欲しいわけではありません。スペースに応じて調整して下さって構いません)

1入力機器
マウス、キーボード、スキャナ(フィルムスキャナとフラットベッドスキャナ)、カメラ、タブレットなど

2出力機器
モニタ(液晶とCRT)、プリンタ、スピーカー

3記憶メディアのドライブ
外付け用HDD、MOドライブ、CD−ROMドライブなど

4その他
通信用:ファックスモデム
DTM用:シーケンサー、シンセサイザー
サプライ(OAサプライ):OA電源タップ、メンテナンス用品(クリーニングキットなど)、キーボードカバー、マウスパッド、ディスプレイにつける防眩フィルターや移り込み防止フィルターなどのフィルター、電磁波防止エプロン

●周辺機器を使うには
ほとんどの周辺機器は、それ専用の接続コードが必要だ。コードやコネクタにはいろいろな種類があるので、自分のパソコンにあったものを準備しよう。
イラスト:
SCSI接続用みたいな四角いヤツ(アンフェノールハーフ50pin、アンフェノール50pin、D-sub25pin、ピンタイプハーフ50pin)とMacで言うならADB用みたいな丸いヤツ(ミニDIN4pin、ミニDIN8pinなど)を何種類か持って、目を回している子ども

●周辺機器の抜き差しは電源を切って
周辺機器をパソコンに接続したり、パソコンからはずしたりするときは、コンセントがつながっていると急激に大きな電流が流れることがある。これはパソコンや周辺機器を壊してしまう場合がある。パソコン本体も周辺機器も、電源スイッチを正しく切り、コンセントを抜いてから抜き差ししよう。

挿し絵:コンセントが入ったままで大電流が流れてぶっとんでる子どもと、コンセントを抜いているこども

-------カコミ------
周辺機器の中には、「ドライバ」と呼ばれるソフトをインストールしなければ正しく動かないものがある。ドライバはOSの入ったCD−ROMかその周辺機器に同封されているフロッピーに入っている。
-------------------


132-133

パソコンがわたしたちに開いた窓「出力装置」

○プリンタとモニタ

 パソコンが、わたしたちに仕事の結果を教えてくれるために使うもの、それが「出力機器」です。
 わたしたちは、出力装置に向かってしか、パソコンの仕事の結果を確かめることができません。ですから出力装置は欠かすことができないもののひとつです。
 プリンタやモニタ(ディスプレイともいいます)がこれにあたります。どちらも白黒表示のものとカラー表示のものがあります。
 プリンタは、仕事の結果を紙やフィルム、シールなどに印刷するものです。いちばん多いのは、インクジェット方式と呼ばれる、液体のインクを紙に吹き付ける方式のものです。
 モニターは画面に表示するものです。テレビのようなブラウン管式のCRTモニタと、液晶モニタがあります。液晶モニタはノート型パソコンに使われています。

○モニタは手入れを忘れずに

 印刷をしないのならプリンタは必要ありませんが、モニタは、パソコンを使うときにはずっと見ているものです。モニタの手入れが悪いと疲れる元になります。
 表示面は汚さないように気をつけて、ときどきかわいた布でふくようにしましょう。また、すみっこの方に「輝度」や「明度」の調節スイッチがあるはずです。説明書を見ながら、ちゃんと調節して、目が疲れないようにしておきましょう。

↓以下は仮
●プリンタの種類
印刷方式:インクジェット、レーザー、マイクロドライプロセッサ
用紙サイズ:はがきサイズまで、A4まで、B4まで、A3まで、それ以上
●プリンタを使うにはドライバソフトが必要
(システムCD−ROMにあるかプリンタにFDがついてくる)
●印刷する
用紙設定と印刷
●モニタの調整
輝度と明度
●画面の設定
デスクトップの背景、色数、解像度(画面の細かさ、広さ)


134-135

入力の基本、マウスとキーボード

○マウスも掃除が必要

 マウスやその仲間の「ポインタ」を動かす入力機器は「ポインティング・デバイス」と呼びます。パソコンに命令を伝える、大切なパーツです。
 マウスはマウスパッドと呼ばれる専用の台の上で使います。それでも、マウスの中に入っているボールや、ボールの動きを伝えるローラーはだんだんゴミがついて汚れてきます。
 ボールやローラーが汚れると、ポインタの動きがおかしくなって、パソコンが大変使いにくくなります。パソコンをよく使う人は、そうなる前に、2〜3カ月に1度くらいはローラーとボールをそうじしてあげて下さい。

○文字にはキーが当たり前

 パソコンで文字を入力するときには、キーボードを使うのはもう知っていますね。
 キーは働きのちがいによって、文字キー、記号キー、テンキー、コマンドキーなどに分けられます。
 手に障害があるなどの理由でキーを押すことができない人などのために、マウスで画面に表したキーボードを操作する「ソフトキーボード」というものがあります。それくらいに、文字の入力には「キーを並べたものを使う」ことは当たり前になっています。
 変わったところでは、トラックボールがついたキーボードもあります。マウスを動かす場所を節約するためです。

●キーのいろいろ
キーボードによって、あるキーや並び方がちがうが、キーの呼び名は決まっている。主なキーは次のとおり。

文字キー かなやアルファベットの入力に使う

スペースキー 1文字分の空白の入力に使う

記号キー 文章や計算に使う記号の入力用に使う

テンキー 電卓のように数字と計算記号をならべたキー

コマンドキー パソコンに命令を出すために使うキーをまとめてこう呼ぶ。文字キーと組み合わせて使うこともある。ここでは赤い文字で書いてあるのがそう。

シフトキー 主に、おのおののキーの上段と下段を切り替えて入力するために使う

リターン(エンター)キー 命令の決定や実行の指示、改行などに使う

キャプス・ロックキー アルファベットを大文字に固定する

コントロールキー 文字キーやほかのコマンドキーと合わせて、命令を出すのに使う

Alt(オプション)キー 文字キーやほかのコマンドキーと合わせて、命令を出すのに使う

TABキー タブ信号を送るのに使う

バックスペース(デリート)キー 入力した文字を消すのに使う

ファンクションキー 特定の命令を記憶させておく

ESCキー 命令の取り消しなどに使う

カーソルキー カーソルやポインタなどを移動させるのに使う

コマンドキー MacOS特有のキー。文字キーやほかのコマンドキーと合わせて、命令を出すのに使う

●ときどき手入れをしよう
しばらく使っていると、マウスの中のボールやローラーが汚れてくる。ポインタの動きがおかしくなる前に、マウスの底面のふたをはずしてそうじをしよう。

ボールは薬用アルコールをつけたで布でふこう。
ローラーは綿棒でそうじしよう。

キーボードはスイッチのかたまりだ。だから水気は大敵。ほこりも接触不良の原因になる。ときどき電源を切り、接続をはずして、クリーニングスプレーと乾いた布、はたきなどで掃除をしよう。

(図解:マウスのそうじとキーボードのそうじ)


136-137

画像を読みとる入力装置、スキャナ

○画像読みとりが仕事

 写真や絵をパソコンに読み取るのがスキャナの仕事です。付属してくる専用のドライバ・ソフトを使って、コピーを取る要領で読み取り(スキャニングといいます)ができます。
 スキャナには読みとる画像の種類によって、フィルムスキャナとフラットベッドスキャナがあります。フィルムスキャナは写真のフィルムの読み取り専用です。フラットベッドスキャナは、平たい原稿なら本でも絵でもなんでも読み込みます。
 画像を読みとる以外にも、OCRといって、読みとった書類をテキスト形式のファイルに変換するソフトなどでも使用します。

○ドライバが大事

 画像を扱うのが主な目的ですから、画像ソフトがついてくる製品が多いのは、スキャナの魅力のひとつになっています。
 スキャニングの基本的な操作は難しいものではありません。コピーよりも細かい指定や調整が可能です。
 スキャナを選ぶときは、ハードの性能も大切ですが、ついてくるドライバの性能や使いやすさがもっと大切です。中にはコピー機やファックスとしての機能も備えたドライバが添付しているものもあります。
 最近はスキャナを内蔵したプリンタもありますので、かなり身近かなものになりました。

●スキャナの種類
スキャナの種類もいろいろ。性能は解像度と階調で比べる。どちらも数字が大きい方が高性能だが、同じ価格帯ならほとんど変わらない。読み取り速度も、ふつうは気にする必要はない。

フィルムスキャナ 写真のフィルム専用のスキャナ。(図)

フラットベッドスキャナ 平面の原稿なら何でも読み込めるスキャナ。ふつうスキャナといえばこれをさすことが多い。(図)

ハンドスキャナ 手に持って原稿の上を動かすことで読みとるスキャナ。(図)

ドキュメントスキャナ 紙のように薄い原稿だけを読み込む。プリンタ内蔵型もこの種類。(図)

スキャナによっては、ドライバソフト以外に画像ソフト、OCRソフト、翻訳ソフトなどがついてくるものもある。

●画質は最初のスキャニングで決まる
原稿は曲がらないように、きちんとのせよう。画像ソフトは読み込んだ画像の曲がりを直したり、いろいろ加工できるけれども、加工するたびに画質(画像の総合的なきれいさ)は悪くなる。スキャンするときに、できるだけキレイにとるのが基本だ。
(イラスト:フラットベッドに原稿をセットしている手元)

--------カコミ-----------
たまにしか使わないけど、やっぱり欲しいという人に耳より情報。スキャナ内蔵のプリンタを買えば、両方を別々に買うよりはずっと安い。デジタルカメラも、画像は粗いがスキャナ代わりに使える。白黒でよければモデムとファックスを組み合わせてスキャナにするツールもある。ファックスモデムを使っている人なら、コンビニのファックスから自宅のパソコンに送信する手段もある。
-------------------------


138-139

手書きができる入力装置、タブレット

○ペンで書くから線がとくい

 タブレットは、専用のペンのような道具を使って絵を書く道具です。もちろん「線しか書けない」のではなく、マウスのできることは何でもできる入力装置です。
 マウスで書く線は、かなり慣れてもぎくしゃくした線になりがちです。でも、タブレットはペンとアクリルなどの板の組み合わせです。ですから、ふつうに紙に絵を描くのにかなり近い感覚で絵を描くことができます
 「感圧式」といって、ペンをタブレットに押しつけた強さを読みとれる方式のものが主流です。そのため、紙に筆で書くように、線の太さや濃さも自然に変えることができます。

○プロやマニアの道具

 パソコンでかく絵は、使うソフトによっては、絵の具や画材も自由に選べます。筆でもペンでもクレヨンでも、あるいは紙でもキャンバスでも自由に選べるわけです。おまけに、パソコンはやり直しが簡単です。
 「これで、楽にじょうずな絵がかける」というわけにはいきませんが、ホンモノの画材を使うよりはずっと早く作品を作ることはできます。
 とくに力をはっきするのは、もとの絵と同じものを書く「なぞり書き」ですが、実際にこれを使っているのは、プロか、パソコンで絵を描くのが大好きなマニアぐらいでしょう。

●タブレットとはこんなもの
線を書くための広い部分と、ツールバーのような操作部分からできているのがほとんどです。専用のペンと組み合わせて使います。マウスでできる入力はなんでもできます。
(図:タブレットとペン)

●感圧式だとこんな線が引ける
ペンを押しつける強さに応じて、線の太さや濃さが変わります。本物の道具を使ったような、自然な感じが出せるわけです。
(強弱、濃淡のある線の見本)

●マウスで書くよりすいすい書ける
マウスで書く線はぎくしゃくしてしまいますが、ペンを使いますので、ずっと自然な線が書きやすいのが特徴です。
(マウスで書いた円とペンで書いた円)


140-141

大切なデータはメディアに保存

○記憶装置とメディア

 メモリのように、パソコンのデータを保存しておくところを記憶装置といいます。メディアというのは、記憶装置が実際にデータを蓄える部分のことです。
 メディアの中には、フロッピーディスクのように持ち運びできるものがあります。これは、外部記憶メディアと呼ばれます。
 外部記憶メディアがあるおかげで、わたしたちはパソコンのファイルを、気軽にほかの人とやりとりできるようになりました。
 外部記憶メディアにもさまざまな種類がありますが、主に記録する方式と記録できるデータの量(容量)で区別されます。主なものを上に表にまとめました。

○手軽なフロッピー

 一番手軽なのはフロッピーディスクです。ほとんどのパソコンの本体に、フロッピーディスクにデータを読み書きするフロッピーディスクドライブが内蔵されています。1枚のメディアに記録できるデータの量を容量といいますが、フロッピーディスクの容量はおよそ1メガバイト(日本語で約5万字分)です。
 フロッピーディスクは3・5インチ(約9センチメートル)というサイズですが、、容量はディスクの大きさで決まるものではありません。中には、同じ3・5インチのメディアでも、フロッピーディスクの一千倍もの容量を持つものもあります。

●主な外部記憶メディアと1枚の容量
メディアにもいろいろな種類があり、それぞれ容量が異なる。表にあげたほかにもPD、DVD、次世代FDなどさまざまな種類がある。

表(容量の小さい順になっています):
フロッピーディスク:640キロバイト〜1.4メガバイト
MO:128メガバイト〜640メガバイト
CD−ROM*:約680メガバイト
ジャズ:1ギガバイト
ハードディスク:数百メガバイト〜数ギガバイト

1ギガバイト=約1000メガバイト=約100万キロバイト
*:CD−ROMは一度データを書きんだら、後は読み出すだけしかできない。記憶メディアの中にはこのように読むだけで書くことができないものがある。これを「読み出し専用メモリ」という意味でROMという。

------------------
ドライブとドライバ
メディアを読み書きするためのハードが「ドライブ」。たとえばフロッピーディスクドライブ、というぐあいに、メディアの名前の後につけて呼ばれる。ドライブなどのハードをうまく動かすためのソフトが「ドライバ」だ。
-------------------

●バックアップ
外部の記憶メディアに保存用にデータのコピーをとることをバックアップという。大切なデータは万一の事故から守るために、必ずバックアップをとろう。また、バックアップをとってオリジナルをハードディスクから消しておくことで、HDによゆうをつくっておくこともできる。
(イラスト:FDなどにコピーをとる)

●ドライブはほこりがきらい
記憶メディアはドライブの中で高速で回転している。データを読み書きするヘッドという部品とは1ミリ以下しか離れていない。そのためドライブはほこりや煙をたいへんに嫌う。
(ほこりをいやがるHDやFDの絵)

●メディアがパソコンに「乗る」
メディアをパソコンに表示させて使える状態にすることを「マウントする」という。マウントというのは「乗っかる」ということだ。
(手足のついたFDがパソコンにまたがっている絵)


142-143

パソコンと電話の通訳、モデム

○モデムの力はbpsで見る

 モデムはパソコンを電話回線につないで、ほかのコンピュータと通信できるようにするハードです。ほとんどのモデムは、パソコンをファクシミリとして使える機能も持ったでファックスモデムです。
 モデムの性能を決めるのは、通信速度です。1秒間にやりとりするデータの量をはかるbpsという単位で表されます。
 今お店で盛んに売られているのは、56Kと呼ばれる56000bpsのモデムですが、これだけの速度が十分に活かせることはなかなかありません。

○どれぐらいの速度がいる?

 パソコン通信で文字のやりとりをするだけなら9600bpsあればまったく問題はありません。
 ちょっとした画像やソフトなどをやりとりするのでも14400bpsでおつりが来ます。
 画像の多いホームページを見たり、数メガバイトのデータをやりとりすると、14400bpsでも、受信に時間がかかっているうちに切れてしまうなんていう事故が起き始めます。
 いまのところ、WWW利用者は28800bpsを使っている人と36600bpsを使っている人が同数と言うところです。
 これ以上快適にするためには、電話回線をISDNというデジタル回線にするしかありません。しかし、そのためにはまたちがうハードが必要になってきます。

●パソコンを電話につなぐのがモデム
パソコンのデータは、デジタル信号と呼ばれる0(なし)と1(あり)だけで表される信号でできている。電話線に通っている信号は、アナログ信号という無段階に変化する信号だ。このふたつはお互いに通じ合うことはできない。モデムはアナログ信号とデジタル信号を交換する通訳のような機械なのだ。

(パソコンがモデムに「010011ハローハロー」と話しかけ、モデムがそれを聞きながら受話器に「もしもーし」と怒鳴っている絵)

●通信速度が早ければ快適?
モデムの速度は限界といわれていましたが56Kモデムが出てきました。ハードもソフトもまだまだ進化するでしょう。問題は通信回線の能力です。回線の能力が低ければ、通信速度がどれほど高くてもどうにもなりません。NTTに期待しましょう。
(イラスト:混雑して信号がふん詰まりになっている電話回線。やきもきするモデム)

●ややこしい設定もこれでOK
通信ソフトの「モデム」の設定らんに自分のモデムが表示されない場合がある。たいていは「ATモデム」とか「Hayse(ヘイズ)」と書かれているものを選べばよいのだが、それでもダメなときがある。そんなときは、モデム設定のらんに半角のアルファベットで「ATZ」または「AT&F」と入力しよう。日本製のモデムならだいたいこれでだいじょうぶだ。
(設定画面)

●モデムがあるのにない?
モデムをつないだばかりのとき、通信ソフトが「モデムがつながっていない」という返事をよこすことがある。確認することは2つ。ドライバはインストールしたか? つないであるポート(端接続子)は間違っていないか? ソフトに設定したポートと実際につながっているポートがちがってはダメだよ。
(コードとFDを持って首を傾げているモデムとパソコン)


前へ
MaCroSoftのホームページasahi-netのホームページ