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99年版


1999.5.31(99.7.2と7.6にちょっとだけ加筆・改訂)

●おウチでE.T.捜し「SETI@home」

●SETI@homeを知ってるかい?
だいぶあちこちで採り上げられるようになってきたので、すでに詳しい話をご存じの向きもいると思うけど、SETI@homeプロジェクトのクライアントソフトの配布が始まって、一部で盛り上がりを見せている。SETIっていうのは、宇宙からの電波を解析することで、E.T.、つまり、地球以外のところにいる(かもしれない)知性体を捜そうっていう壮大なお話。「とんでも」系のお話ではなくて、1960年代ぐらいからマジメに取り組まれている活動。『コスモス』のカール・セーガン博士なんかも推進者のひとりで、映画や小説の『コンタクト』も啓蒙活動の一環として作られた側面もある。

SETI@home
 SETI@homeの解析中の様子。三次元グラフが刻々と変わっていく。意外に見ていても飽きない。
ステータスバー下に「どんだけの時間働いたか」を示す時間表示があるのだけど、解析中にときどき考え込んでいるときがあって、そんときは時間表示も止まっちゃうので、ちょっとウソが入ってるみたい。
(7月2日リリースの1.05でこの問題は解消された)
この画像をクリックすると原寸の画像が見られます。

んで、SETI@homeっていうのは、本家の解説を引用すると……

SETI@home(セチ・アット・ホーム)とは、インターネットにつながっている 何百何千台のコンピュータの余った力を地球外文明探査 (SETI)に活用しよう という科学的実験です。 電波望遠鏡のデータの取り寄せと解析を行なうスクリーンセーバーを起動すれば、誰でも参加することができます。 参加者には、自分のコンピュータが地球外の文明のかすかな声を見つけるというささやかながら魅力的 な可能性が与えられます。

SETI@homeのサイト[日本語版]から引用 99.5.31)

「パソコンの空き時間で、データ解析を手伝おう」ってことですね。「E.T.捜しに自宅から手軽に参加」っていう、安上がりでロマンのあるお話です。ややこしいことが好きな人には「地球規模での並列処理実験」という側面も魅力かな。プエルトリコにあるアレシボ天文台という直径数百メートルとかいう巨大な電波望遠鏡で得たデータ(1日35ギガ!)が世界中にばらまかれていて、それをみんなでやっさもっさ解析しているですよ。
でも、関心はあっても、クライアントソフトの大きさや、データ解析の負荷、解析データの送受信にどれぐらいの手間暇がかかるのかなどが気になって、協力するのに二の足を踏んでいる人もいそうな気がする。そこで、Mac版(もちろんWindows版とUnix版もある)をPowerBook2400G3/240にインストールした場合を例にして、その辺をちょっと紹介。

全体の手順を概観するとこんな感じ。

  1. クライアントソフトを入手
  2. ソフトをインストールして設定
  3. 未解析のデータブロックを入手
  4. 解析が済んだら新しいデータブロックと交換
    以下、3と4のくり返し

●クライアントソフトの概略
クライアントソフトの入手は
SETI@homeのサイト(http://www.setiathome.ssl.berkeley.edu/)から。日本語版のページもある。Mac版の1.0(7.2に最新の1.05に差し替え。と思ったら7/6に、バグ発見のため、またもや1.0に差し替え)はうちのサイトにも埋めたからこっからも持ってこれる。

解凍するにはsit(Mac版)、tar(Unix版)に対応した解凍ツールが必要だ。windowsの場合は自己解凍形式のようだね(exeってそうでしょ?)。ま、Macの場合は、Netscapeに同梱されているから改めて入手する必要はないでしょうけど、念のために、最新版解凍ツール「StuffIt Expander 5.1.2J」(フリーウェア)はここから入手できます。

クライアントソフトの容量は300KBぐらい。
容量ではピンと来ない人には、低解像度のデジカメ画像程度、多少ご本家(SETI@homeのサーバー)や電話回線が混んでいても、33.6Kbpsのモデムで1〜2分でダウンロードできるぐらい、と言えば少しはわかりやすかしらん。解凍すると、インストーラーが現れる。こいつを起動するだけで簡単に設定できる。

インストール時に、どんな条件で稼働させるかを設定するようになっていて、お奨めなのはデフォルトの設定。「10分間使っていないときに、スクリーンセーバーのような形で稼働する」「接続が必要になったらお伺いを立てる」っていうもの。この設定は後でもナンボでも変更できる。

pref_mini.gif

これが設定画面。インストールが済むとファインダーメニューにSETI@homeのメニューが追加されるので、そこから「Preference」を選択すればいつでも変更できる。僕は「5分間使ってないと稼働する」に設定している。
クリックすると原寸で見られます。


つまり、パソコンの電源が入っているのに、なにも入力されない状態が10分間続くと、自動的にSETI@homrが動き始めて、処理をする。クリックしたり、なにかを入力するとSETI@homeは動くのをやめる、という状態なので、作業への負荷は全くない。稼働や稼働停止の時にフリーズするようなことも、現状わたしの環境ではぜんぜんない。

●かかる時間
インストールが終わると、「ご本家にアクセスして解析前のデータのカタマリを入手してきてもいいか?」とお伺いを立ててくる(この辺は、前述の「Prefernce」で「必要になったら質問する」というモードと、「必要になったら勝手に通信する」のどちらかを選べる。ダイアルアップ接続の人は前者を選んでおこうね)。データのカタマリをもらうのにかかる時間は、そのときどきで違うようだけど、上記の環境でせいぜい1〜2分程度。

connect
 お伺いを立ててきたところ。すぐに接続してもいいなら右の「Connect Now」ボタンをクリック。後で接続するなら左の「Connect Later」をクリックだ。

メニューバーに追加されたSET@homeのアイコンをクリックすると出てくるメニュー。「Connect Later(後で接続)」を選んだときは、接続できるようになったら、ここから接続を指示してやる。

もらったデータを解析するのに必要な時間は、わたしがもらった最初のデータではなんと32時間余りだった。これはCPUのパワーによって違う(高速なマシンほど短い時間で済む)。例えばハイパワーなPC/AT互換機だと、Celeronの400MHzを2基のせたマシンで10時間という話も出ている(後述のMYCOMのコラムを参照)。
と言っても実際には「電源が入っていて、しかも使っていない」という状態でのことになるので、何日もかかることになる。

attention
 解析が終わったときには、こんな風にアラートが出る。クリックすると原寸で見られるよ。

解析が終わると、「こっち見てー!」という意味のアラートがグラフの上に現れる。ここでメニューバーのSETI@homeアイコンから「Launch」を選択すると「オカワリしに行ってもいい?」って意味で、例の「Connect Now」のダイアログボックスが現れるから、ひまだったらデータのオカワリをしてあげよう(もちろん「後で」ってのも選べる)。
オカワリOKにしてあげると、ネットワークにつないでご本家とやりとりを始める。解析ズミのデータを送信するのと同時に、次の未解析のデータをもらってくるわけだ。この所要時間は3〜4分だった。

99.8%
 解析が終わった状態での左上「Data Analysis」の部分。97.8%台で止まっているけど……いいのか?

つまるところ解析時間がとてつもなくかかるが、通信に要する時間は数日に一度、数分ってことだ。しかも、スクリーンセーバーみたいなもんだから、作業の邪魔にはならない。
ちなみに、初日のわたしの作業環境では解析に当てられた時間は15分程度だった(^◇^;) ま、夕方から始めて、夜、事務所から自宅に持って帰ってで、面白いからこの週末は電源を切らなかったのだけど、ダウンロードしてから解析が終わって送信するまで(これ、今朝)の日数は、なーんと足掛け4日間かかっている。クライアントを入手してからだともっとだ。

●のんびり気長で邪魔にならないお楽しみ
この調子だと、外出中や夜には電源を落としていたら、きっとひとつのデータを解析するのに10日とかかかりそうだ。なんとも気の長い話だけど、もともとSETIってのは気の長い話なんだから、これでいいんでないか? 古くて暇にしているマシンがあったら、そいつを使うってのもいいかもしんない。
なにしろさ、万が一、自分のところのデータからE.T.の手がかりが見つかったら、サイコーじゃありませんこと? 自分のマシンが見つけたら、ちゃんとご本家から連絡をくれるらしいからね。発見者(協力者?)に名前を連ねるのも夢じゃないよ(^^)

ところで、これ、グループ登録ができるらしい。わたし、MaCroSoft Communications Groupで登録しているんだけど、誰か、いっしょに登録しませんか?(99.7.2 誰も遊んでくれないから、しばらく前からポチさんとこのグループに参加した(T^T))

SETI@home(in Japanese)
http://www.setiathome.ssl.berkeley.edu/home_japanese.html

MY COM PC Web 週刊「秋葉原情報」SETI@HOMEに参加しよう!(米田聡)
http://pcweb.mycom.co.jp/news/1999/05/25/06.html


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